81年、村民の受診率は県下でも低くはないですが、一件当り費用、および老人一人当り医療費は、ともに県内最下位であって、同年の国民健康保健税は約4000万円の黒字を計上、同税の減税さえ実施していることも注目されるべきでしょう。
・・・以上、これらの事例の概観から明らかなように、山村住民による先進的な村おこしは・・・
1.決して好条件にはない地域で、農林業を中心として多面的な仕事づくりで過疎に挑戦し、
2.地域の資源を創意活用して、個性豊かな地場産業を自らの力でつくりだし、
3.大資本による外からの開発に抗して、都市とも能動的に手を結びつつ、地域の自然とくらしを豊かに守り育て、
4.そしてすべての村民の力で、すべての村民のいのちと健康を守り育ててきたものでした。
・・・その合言葉は、自らの力による過疎への挑戦であり、その運動は生産・就業・自然・生活の諸環境にかかわる、たんなる個々の仕事づくりや各々の物的な基盤づくりにとどまるものではありません。
総体としての村おこしの運動であり、そして、それに参加したすべての人びとの"人おこし・人づくり"として発展してきたものでした。
これら村おこしの展開と成果が多かれ少なかれ政府や府県の政策的助成から無縁であったとすることは、もちろんできません。
・・・しかし、いずれにあっても村おこしの起動力と推進力は村民にあり、これらの運動がしばしば政府の情勢把握や政策的判断を先導し、そして施策の実施を導出してきたと言っても過言ではありません。
こうした山村の「新たな胎動」は、高度成長の崩壊後、日本経済の構造的不況の中で力強いものではないにしろ、全国各地の山村でより広範囲に高鳴ってきています。
「地方の時代」や三全総それ自体の策定もこうした広範な村々からのうねりに、ひとつの基礎をおくものです。